食器棚とは

知られざる食器棚の歴史

食器棚

食器棚は食器を収納する以外にも、食品を貯蔵したりキッチン家電を設置するためにも利用される便利な家具です。 初めて食器棚が使われるようになったのは14世紀頃のイギリスで、当初の食器棚は本棚に扉の付いたような形状をしていました。 そして16世紀に入ると金や銀で作られた高級食器を立てかけて飾るための、ディスプレイ用の食器棚も誕生しました。 食器棚の中が見れるように扉にガラスが用いられるようになったのもこの頃で、家具職人によって様々なデザインの食器棚が作られるようになり、 産業革命以降のヨーロッパでは大量生産の技術で多くの食器棚が作られるようになりました。 しかし20世紀には安価で粗悪な食器棚が生まれるようになったことに反発し、昔の手仕事の良さを取り戻そうとする運動が起こり、使いやすさと中世の家具の 装飾性を取り入れたデザインに比重を置いた食器棚が再び人気を集めました。 大量生産で見た目もあまり良くない安価な食器棚よりも、多少高い金額でも職人の手作りによる食器棚が好まれるようになったのです。 そしてその流れは現在も続いています。 日本での食器棚の原型とされているのは、茶器などを収納する茶たんすや食器類を収納する水屋たんすです。 これらは江戸時代よりも以前からありましたが、一般的に普及したのは明治時代以降になります。 昭和以降になると生活スタイルの変化に合わせて、日本でも洋風の食器棚が製造・輸入されるようになりました。